清貧おやじ
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「ある閉ざされた雪の山荘で」 東野圭吾
ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾 1992年作

ある閉ざされた雪の山荘で


ある閉ざされた雪の山荘で」というタイトルどおり、
ある閉ざされた山荘で起こる事件を描いているわけですが、
その設定が素晴らしい。
よく、こんな設定を考え付いたものである。
それだけでも読む価値がある小説だと思います。

物語は、「そして誰もいなくなった」よろしく、
クローズドサークルの状態で、
次々とメンバーが姿を消していく展開ですが、
そのクローズドサークルが仮想のもの、という点に、
著者の工夫が見られます。
実際には、雪など、何処にも降ってはいないのです。

さらに、閉じこめられたメンバーが皆、劇団員で、
本人達も内容が知らされていない芝居の
舞台稽古という設定なので、
起こった殺人が、現実の殺人なのか、芝居なのか?
分からないまま、物語が進んでいくところも
良く考えられています。

いやはや、みごとな匠ぶりです。
アイデアが良いです。

途中でなんとなく犯人が分かったり、
設定に無理があったり、
最後が少しあっけなかったりしますが、
舞台の観客のように読む事ができて
大変面白かったです。


★★★★☆


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「水車館の殺人」 綾辻行人
水車館の殺人綾辻行人
「館シリーズ」の二作目で1988年の作品。

水車館の殺人1

「館シリーズ」の二作目で、私は三作目の「迷路館の殺人」を先に読んでしまったので、私にとっては三本目の「館シリーズ」である。
やっぱり「館シリーズ」は順番に読んで行った方が思い入れがしやすいです。

内容は、前回同様、異端の建築家、中村清司が建てた奇怪な館「水車館」で起こる連続殺人事件を描いています。
この「水車館」には、年に一度、収集された幻の絵画を鑑賞しに客人達がやって来る。
館の主人は、過去の事故によって、足と手と顔に損傷を負ってしまった人物で、
車椅子に乗り手袋をはめ、顔には白い仮面を常に被っている。
(ものすごーく怪しい)
その妻は幼い頃から学校にも行かず、幽閉されている美少女。
(どうも怪しい)
招かれた客も皆、うさんくさい人物ばかりである。
(皆、怪しい)
そんな中、館を嵐が襲い、
例の如く館は陸の孤島と化してしまう。
クローズドサークル
そして一年前に起こった奇怪な連続殺人が再び始まる...
という展開の話。

前作の「十角館の殺人」ほど衝撃的ではありませんが、
私的には楽しめた作品です。
何故かというと、途中で
「謎はすべて解けた!」
からです。
まるで「金田一少年の事件簿」のように。
読者にとってこれは痛快です。
フェアに作ってあります。
すべての謎というのは大袈裟ですが、
ほぼ正解することが出来たので、大満足です。

水車館の殺人2

設定や登場人物もベタな感じで、
まるでコミックの原作ような作品です。
トリックも「王道」で読者を裏切りません。
マニアには物足りないと感じてしまうでしょうが、「叙述」に凝るあまり、内容が分からなく成ってしまう作品が多い中、
安心して読める「本格推理」小説と言えると思います。
セオリー通りのミステリーを、かくも緊張感を保った一級の「本格推理」に仕上げた、著者の技量は凄いと思います。


★★★★☆


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「月光ゲーム Yの悲劇’88 」 有栖川有栖
月光ゲーム Yの悲劇’88 」
有栖川有栖のデビュー作で1989年の作品。

月光ゲーム1

 著者が大学の推理小説研究会に在籍していた時に書いた小説を、長編小説にリライトして完成させた作品だけあって、正直言って、稚拙な感じは否めない。
しかし、その稚拙な感じが初々しく、登場人物がすべて男女学生という設定ということもあり、青春小説のような爽やかな読後感がありました。
また、いかにも推理小マニアの学生が書きそうな「読者への挑戦の頁」など、推理小説に対する著者の情熱、オマージュが強く感じられた作品でした。
ストーリーは、合宿のために山のキャンプ場へやって来た大学の推理小説研究会の面々(なんと有栖川有栖、本人まで登場する)と、偶然一緒になった男女三グループの学生達が、山の噴火(すごい設定である)により、キャンプ場に閉じ込められてしまい、噴火に脅えながら、救助を待つ彼らの中で、連続殺人が発生していくという、いわゆる「クローズドサークル」ものです。
途中何度も山が噴火するのですが、よくもまあ、こんな設定にしたものだと感心してしまう。
月光ゲーム2  月光ゲーム3
 タイトルにもなっている「Yの悲劇」とはyと書かれたダイイングメッセージに由来していますが、トリック自体は大したこと無く、この程度で名作「Yの悲劇」を持ち出すとは、恐れ多いと思いました。
(推理マニアの学生が書いたシャレだと思えば許せます。)
しかも、登場人物が多すぎです。
なんと、総勢17人も登場します。
人物の特徴も手がかりも希薄で、的を絞れない状況で「読者への挑戦」をされても辛いものがありました。

しかし、小説全体に流れている雰囲気はとても良いものがあります。
火山の噴火という異常な状況下ではありますが、なぜか恐怖感はあまり湧いてきません。
どこか幻想的で、起こった出来事は全て夢の中の出来事のような浮遊感があります。
月光ゲーム」というタイトルが示す通り、夜のシーンが多いのが要因なのかもしれません。

また、キャンプという共同生活を通して芽生えてくる学生達の淡い恋心も、読者の過去の恋愛体験が思い起こされて、とてもほろ苦く切ない気持ちにさせてくれます。

携帯電話もデジカメも無い、古き良き時代の「青春ミステリー」です。


★★★☆☆


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「十角館の殺人」 綾辻行人
綾辻行人のデビュー作で、1987年の作品。

前回「迷路館の殺人」を読んだとき、他のブックレビューに、第1作目の「十角館の殺人」から読んだ方が良いと書いてあったので、それ以来ずっと探していた本です。
読んでみたら、なるほど、面白い!
これはオススメである。ただし推理小説ファンに限ります。
叙述ミステリーとしては教科書的な作品だと思います。
これがデビュー作というものスゴイと思う。

十角館の殺人1

内容は、いわゆる「クローズドサークル」もので、雪で閉ざされた山荘、陸の孤島など、外界から遮断された状況下で発生する連続殺人事件を描いています。
クリスティーの「そして誰もいなくなった」以降、使い古されたパターンではありますが、あえて、その難題に挑戦し、成功した著者にエールを送りたい。
閉ざされた空間の中、一人、また一人と人間が殺されていく設定は、スリル満点です。
意外な人物が犯人なんだろう、と思いながら読み進めていくうちに、物語終盤で発せられた、なにげない「一言」の衝撃は見事です。
たった一言。その瞬間、事件の全貌が読者の脳裏に浮かぶはずです!
これぞ正に「アハ体験」。
十角館の殺人2  十角館の殺人3
 
この小説こそ「映像化不可能」です。
読めば解ります。


★★★★★


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