原題: DRAG ME TO HELL
監督:サム・ライミ
2009年 アメリカ映画

近年では「スパイダーマンシリーズ」のヒットで、すっかりメジャー監督になってしまったサム・ライミ監督が撮った久々のホラー映画。
今時、稀有なPG12ですらない、子供が観ても安心な?
「明るいホラー映画」でした。
しかし、ホラー映画の様式美や、人が生理的に嫌がる怖さのツボはしっかりと押さえてあり、ちょっとしたシーンにもサム・ライミ節を感じることが出来る、私にとっては楽しめた映画でした。
私には、これくらいの怖さが丁度良いです。
もっと怖く作ろうと思えば出来たのに、肝心の場面になると、あえてアメコミ風に作ってあり、怖さが抑えてあるように感じました。
昨今流行りの、残酷な「痛み」の描写によるホラー映画とは違い、ある意味、子供に観てもらうための、確信犯的なホラー映画であり、子供に「自分が良い思いをするために、人をおとしめると罰が当たるよ!」っていう教訓を与えるために作られた映画、という風に感じました。
スパイダーマンの大成功で世界的な名声を得てもなお、このようなB級ホラーを撮ってしまうサム・ライミ監督の心意気を感じ取る事が出来た映画でした。
ところで、サム・ライミ監督といえば、代表作は何と言っても「死霊のはらわた」です。
あれは本当に怖かった。
25年ぐらい前、私は映画館では無く、友人の家で、ビデオで観たのですが、それでも腰が抜けるほど怖かった。
恐がりの友人が、恐怖のあまり布団を被ってビビリまくっていたのが今でも思い出される。
作りものと分かっていても、怖いものは、やっぱり怖いです。

あの頃はレンタルビデオ店が出始めた頃で、
(今では信じられない話であるが、1本レンタルするのに1,000円以上したような気がする)
貧乏学生が金を出し合ってビデオを借りてきて、その頃まだ珍しかったビデオデッキを持っている奴の家に集まり、
しょっちゅうビデオ上映会を開催したものだ。
(半分はエロビデオだったような気がする...いや、ほとんどそうだったかも)
今となっては懐かしい思い出です。
あの頃は、いろいろなものが新鮮で、毎日楽しかったなぁ。
★★★☆☆