清貧おやじ
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「水車館の殺人」 綾辻行人
水車館の殺人綾辻行人
「館シリーズ」の二作目で1988年の作品。

水車館の殺人1

「館シリーズ」の二作目で、私は三作目の「迷路館の殺人」を先に読んでしまったので、私にとっては三本目の「館シリーズ」である。
やっぱり「館シリーズ」は順番に読んで行った方が思い入れがしやすいです。

内容は、前回同様、異端の建築家、中村清司が建てた奇怪な館「水車館」で起こる連続殺人事件を描いています。
この「水車館」には、年に一度、収集された幻の絵画を鑑賞しに客人達がやって来る。
館の主人は、過去の事故によって、足と手と顔に損傷を負ってしまった人物で、
車椅子に乗り手袋をはめ、顔には白い仮面を常に被っている。
(ものすごーく怪しい)
その妻は幼い頃から学校にも行かず、幽閉されている美少女。
(どうも怪しい)
招かれた客も皆、うさんくさい人物ばかりである。
(皆、怪しい)
そんな中、館を嵐が襲い、
例の如く館は陸の孤島と化してしまう。
クローズドサークル
そして一年前に起こった奇怪な連続殺人が再び始まる...
という展開の話。

前作の「十角館の殺人」ほど衝撃的ではありませんが、
私的には楽しめた作品です。
何故かというと、途中で
「謎はすべて解けた!」
からです。
まるで「金田一少年の事件簿」のように。
読者にとってこれは痛快です。
フェアに作ってあります。
すべての謎というのは大袈裟ですが、
ほぼ正解することが出来たので、大満足です。

水車館の殺人2

設定や登場人物もベタな感じで、
まるでコミックの原作ような作品です。
トリックも「王道」で読者を裏切りません。
マニアには物足りないと感じてしまうでしょうが、「叙述」に凝るあまり、内容が分からなく成ってしまう作品が多い中、
安心して読める「本格推理」小説と言えると思います。
セオリー通りのミステリーを、かくも緊張感を保った一級の「本格推理」に仕上げた、著者の技量は凄いと思います。


★★★★☆


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「倒錯のロンド」 折原一
倒錯のロンド
折原一 1989年作

倒錯のロンド

小説のタイトルにある「ロンド」とは、同じ旋律(主題)が、異なる旋律を挟みながら何度も繰り返される楽曲の形式のことである。
では「倒錯」とは?
調べてみると、
さかさになること。また、さかさにすること。特に、本能や感情などが、本来のものと正反対の形をとって現れること。
「―した愛情」「―的な快楽」
とある。
本作は、まさにタイトルどおり、倒錯がリフレインする、かなり凝った作品でした。

物語は、推理作家を目指す男が執筆した応募作が盗まれ、その原稿を拾った男が作品を盗作して賞を受賞してしまう。落胆した男は復讐に燃え、原作者と盗作者との緊迫した駆け引きが始まる。
果たしてその結末は?といった内容なのですが...
この小説自体が、著者が江戸川乱歩賞に応募し、落選した実体験が書かれている「作中作」の形式で書かれているので、よけいにややこしいです。
最後の方は、今、自分が読んでいるのは誰が書いた小説なのか、
物語がいつ終わったのか、分からなくなってきます。
ご丁寧に「エピローグ」では現実まで書かれていて、
さらに読者を混乱させます。

この小説は、好き嫌いが分かれと思います。
最後の方は少々「悪ふざけ」ぽくなっています。
受賞を逃したのも分かるような気がします。
こういった、作家の「悪ふざけ」ぽい悪あがきが、
審査員の心証を悪くしたのではないでしょうか?

しかし、作品としてはよく出来ています。
これぞ「叙述ミステリー」といった感じです。
頭が良くないと、こういった小説は書けません。


★★★★☆


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