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「天城峠殺人事件」 内田康夫

内田康夫の「浅見光彦」シリーズの第7作目で、1985年の作品。

天城峠殺人事件

 この本はボリュームが少なかったので、あっという間に読み終えることが出来ました。
物語は、伊豆の旧天城トンネルで、ひき逃げ事件が目撃される事から始まる。被害者の老人は千社札行脚を行っている老人だった。しかし被害者の遺留品の中には、残されているはずの千社札が全て無くなっていた。何故?不信に思った浅見は捜査を開始する。
一方、浅見の知り合いのアイドルタレントの心中事件も発生し、そちらの事件にも首を突っ込む光彦。調べてみると、心中事件にも不信な点が発覚。
無関係と思われた二つ事件が思わぬ展開で交差して行く..。といった内容の話。
本の裏表紙に「伊豆地方に伝わる手毬唄が、おそるべきトリックを暗示する。」と書いてあったので、横溝正史の「悪魔の手毬唄」のような内容だと期待していたのですが、読んでみると手毬唄は、事件の本筋とは直接関係ありませんでした。
しかし、トリックは良く出来ていると思った。トリックというより偽装工作なのだが、現実の犯罪にも使えそうなトリックだった。実際こういった事件も有ったかもしれません。
ところで千社札は、よく社寺の柱などに貼られていますが、参拝者が訪れた証として貼って行くものだったのですね。千社札行脚をしている人がいると言うことも、物語を読んで始めて知りました。これから社寺を訪れた時には、千社札を注意して見てみようという気持ちになります。
しかし、千社札のような何気ない素材から物語を展開する作者は、やっぱり凄いなと思います。
また、今回のヒロインは、朝美という名前なのですが、物語の中で、浅見光彦が朝美と結婚したら「アサミアサミ」になる。なんていう微笑ましいエピソードも楽しめた一冊でした。
ボリュームが少ないので、全般的には軽い感じの作品です。


★★★☆☆


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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

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