法月綸太郎 1988年作
法月綸太郎のデビュー作。
朝、登校してきた女子高生が教室に入ろうとすると、
教室の戸が開かなかった。
通りかかった担任の教師が力まかせに戸をこじ開けてみると、
そこにあったのは、同じクラスの男子生徒の死体だった。
教室は、窓は施錠され、
ドアは内側からガムテープで目張りされている密室状態。
これは自殺なのか?
しかも異様なことに、
教室にあるべき机と椅子が、すべて消えていた。
なぜ?
警察に協力を依頼された推理小説マニアの同級生が謎に挑みます。
果たして、その真相はいかに...
といった展開の話。
いかにも学園モノっていう感じの展開です。
また、処女作だけあって文章の稚拙な感じは否めません。
一つの章が異常に短いので、読んでいて落ち着きません。
肝心の謎解きも、荒唐無稽な背景に、
偶然が重なっただけという気がしてしまった。
トリックも、いかにも推理小説マニアが書きそうな
頭の中だけで考えたトリックだと思いました。
しかし、著者の推理小説に対する情熱、
オマージュは強く感じられました。
いろいろな衒学的な引用から、
デビュー作らしい気負いが感じられます。
ラストには数回のどんでん返しもあり、
最後まで楽しめる作品になっています。
★★★☆☆
テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌