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「怪人対名探偵」芦辺拓
「怪人対名探偵」
芦辺拓 2000年作

怪人対名探偵


江戸川乱歩へのオマージュてんこ盛りの作品です。
仮面の怪人、奇怪な屋敷、殺人ビデオ、名探偵と少年助手、
時計台に気球、蝋人形、パノラマ島、観覧車に蜘蛛男....。
すべて登場します。
一つの作品に、よくぞここまで盛り込んだものである。
著者の妄想を、そのまま文章にしたような作品で、
かなり悪趣味です。お下劣です。
好き嫌いが分かれる作品です。
ラストは、どうなる事かと思いましたが、上手くまとめられており、
結構、練られて書かれていました。

そして、なんと言っても、
喜国雅彦氏のあとがきが素晴らしいです。
現実に奇怪な怪人を演じる事が、いかに大変な事なのか。
本作のエピソードを例にして解説してあります。
また、すべての探偵小説ファンの心を代弁するような
センチメンタルな文章が哀愁を誘います。

以下は、その抜粋です。

世間は忘れていた。
怪人の存在を。
怪人に胸を躍らせた少年の日々。

ある日振り返ると、そこに怪人はいなかった。
でも誰一人、そのことを
口に出して言うヤツはいなかった。
僕たちはかすかに知っていたのだ。
怪人で満たされていた心が、いつのまにか「異性」という
やっかいな宇宙人に奪われ始めていたということを....。



うーん。
少年の頃、夢中で読んだ人だけが分かる
この気持ち...。




★★★☆☆




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「死体を買う男」 歌野晶午
死体を買う男
歌野晶午 1995年作

死体を買う男


凄いタイトルですが、内容はそんなに凄くありません。
凄いのは登場人物です。
なんと、江戸川乱歩萩原朔太郎が登場し、
事件の謎に挑みます。

おどろおどろしい雰囲気、ねちねちとした文体、
著者の乱歩へのオマージュがてんこ盛りです。

作中作の形式を取っており、これは面白いかも、
と期待しましたが、チョット期待はずれ。

文体や構成にしても著者の力量には感服しますが、
策士策に溺れる、といった感じ。

もっと面白くできたと思います。

て、言うのは簡単だよなぁ。


★★★☆☆



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