清貧おやじ
世の中、金のかかる事ばかり...
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「時計館の殺人」綾辻行人
時計館の殺人
綾辻行人 1991年作

時計館の殺人


久しぶりに読んだ綾辻行人氏の館シリーズ。

やっぱ面白い。

すぐに引き込まれます。

まずもって、。

雰囲気が良い。

無数の時計コレクションで埋め尽くされた館に閉じこめられた人々。

一斉に時を告げる時計...。

一人、また一人と、人が殺されていきます。

想像するだけでタマリマセン...。

壁一つ向こう側には探偵がいるのですが、
そんな事件が起こっているとは気付かずに
物語が並行して進んでいく構成がニクイです。

密室殺人が発生しますが、それはそれ、館シリーズの事なので、
暗黙の了解で、そんなに真剣に推理する必要はありません。

今回は特にサスペンス色が強く、マンガチックではありまが、
実に映像的でダイナミックな作品に仕上がっています。

「十角館」ほどの衝撃はありませんが、
メインのトリックはスケールが大きく、斬新でした。




★★★★★





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「霧越邸殺人事件」綾辻行人
霧越邸殺人事件
綾辻行人 1990年作

霧越邸殺人事件1


かなかな読み応えがありました。
著者の力量を感じる、700ページ近くもある
重厚な長編本格ミステリーです。
雪で閉ざされた山荘、連続殺人、見立て殺人、謎めいた住人等、
ミステリーの定番要素がてんこ盛りの作品です。

日本を舞台としながら、雰囲気はどこか外国的。
芸術や文学に関するうんちくも豊富で、
まるで外国のゴシックホラーを読んでいるような雰囲気。
幻想的でもあり、ミステリーファンにはたまらない
風味に仕上がっていると思います。

霧越邸殺人事件2


物語では、クリスティの「そして誰もいなくなった」や、
一連の横溝作品を思わせる、北原白秋の童謡に見立てた、
連続殺人事件が起こるのですが、
改めて歌詞を読んでみると、どことなく不気味。
せっかくなので載せておきます。

「雨」 北原白秋

  雨がふります、雨がふる。
  遊びに行きたし、傘はなし。
  紅緒のお下駄も緒が切れた。
 
  雨がふります、雨がふる。
  いやでもお家で遊びませう。
  千代紙折りませう、疊みませう。
 
  雨がふります、雨がふる。
  けんけん小雉子が今啼いた。
  小雉子も寒かろ、寂しかろ。
 
  雨がふります、雨がふる。
  お人形寢かせどまだ止まぬ。
  お線香花火もみな焚いた。
 
  雨がふります、雨がふる。
  晝もふるふる、夜もふる。
  雨がふります、雨がふる。

物語では、もう一つ、童謡が出てきます。
これも、せっかくなので載せておきます。

「かなりや」 西条八十

  唄を忘れた金糸雀は、後の山に棄てましよか。
  いえ、いえ、それはなりませぬ。

  唄を忘れた金糸雀は、背戸の小薮に埋けましよか。
  いえ、いえ、それもなりませぬ。

  唄を忘れた金糸雀は、柳の鞭でぶちましよか。
  いえ、いえ、それはかはいさう。

  唄を忘れた金絲雀は、象牙の船に、銀の櫂。
  月夜の海に浮べれば、忘れた歌を想ひだす。

誰もが、一度は聞いたことがある童謡ですが、
改めて歌詞を読んでみると、
これも結構、凄い内容です。
決して、無邪気な子供が歌う歌ではありません。
今なら、放送禁止になるかもしれません。
しかし、ある意味、
著者は、いい題材を見付けたと思います。

純文学好きの人が読んだら、
笑っちゃうような内容ですが、
市川崑監督が生きていたら、
是非、映画化してほしかったと
思わせてくれるような
良い雰囲気のミステリー作品です。



★★★★★


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「殺人方程式〈切断された死体の問題〉」 綾辻行人
殺人方程式〈切断された死体の問題〉」
綾辻行人 1989年作

殺人方程式

教団ビルに居たはずの宗教団体の教主の首無し死体が、別のマンションの屋上で発見される。
しかし、そのマンションは別件で厳重に監視されていたのだった。
犯人はいかにして死体を運び、逃走したのか?
二ヶ月前、前教主が遂げた奇怪な死との関連は? 
不可能犯罪に新米刑事が挑む...。といった展開の話。

巻末で著者ご本人が語っているように、「館シリーズ」とは趣向の違った作品を、という版元の要請によって書かれた作品であり、いつもとは若干毛色のちがう作品に仕上がっています。
そして、ちょっと変わったキャラクターの刑事が登場します。
トリックありきの作品をこれだけ読み応えのある作品に仕上げてしまう、著者の力量は凄いと思います。
手がかりや伏線の張り方、犯人の意外性など、申し分のない本格推理小説に仕上がっていると思います。
しかし、いかんせんトリックがチープです。
この作品に限らず、物理トリックを作品にするのは大変難しいと思いました。
どうしても現実的では無くなってしまう。
大がかりになれば、なおさらです。

貪欲な読者の期待に答えなければならないミステリー作家というのは大変だと思います。


★★★☆☆


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「水車館の殺人」 綾辻行人
水車館の殺人綾辻行人
「館シリーズ」の二作目で1988年の作品。

水車館の殺人1

「館シリーズ」の二作目で、私は三作目の「迷路館の殺人」を先に読んでしまったので、私にとっては三本目の「館シリーズ」である。
やっぱり「館シリーズ」は順番に読んで行った方が思い入れがしやすいです。

内容は、前回同様、異端の建築家、中村清司が建てた奇怪な館「水車館」で起こる連続殺人事件を描いています。
この「水車館」には、年に一度、収集された幻の絵画を鑑賞しに客人達がやって来る。
館の主人は、過去の事故によって、足と手と顔に損傷を負ってしまった人物で、
車椅子に乗り手袋をはめ、顔には白い仮面を常に被っている。
(ものすごーく怪しい)
その妻は幼い頃から学校にも行かず、幽閉されている美少女。
(どうも怪しい)
招かれた客も皆、うさんくさい人物ばかりである。
(皆、怪しい)
そんな中、館を嵐が襲い、
例の如く館は陸の孤島と化してしまう。
クローズドサークル
そして一年前に起こった奇怪な連続殺人が再び始まる...
という展開の話。

前作の「十角館の殺人」ほど衝撃的ではありませんが、
私的には楽しめた作品です。
何故かというと、途中で
「謎はすべて解けた!」
からです。
まるで「金田一少年の事件簿」のように。
読者にとってこれは痛快です。
フェアに作ってあります。
すべての謎というのは大袈裟ですが、
ほぼ正解することが出来たので、大満足です。

水車館の殺人2

設定や登場人物もベタな感じで、
まるでコミックの原作ような作品です。
トリックも「王道」で読者を裏切りません。
マニアには物足りないと感じてしまうでしょうが、「叙述」に凝るあまり、内容が分からなく成ってしまう作品が多い中、
安心して読める「本格推理」小説と言えると思います。
セオリー通りのミステリーを、かくも緊張感を保った一級の「本格推理」に仕上げた、著者の技量は凄いと思います。


★★★★☆


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「十角館の殺人」 綾辻行人
綾辻行人のデビュー作で、1987年の作品。

前回「迷路館の殺人」を読んだとき、他のブックレビューに、第1作目の「十角館の殺人」から読んだ方が良いと書いてあったので、それ以来ずっと探していた本です。
読んでみたら、なるほど、面白い!
これはオススメである。ただし推理小説ファンに限ります。
叙述ミステリーとしては教科書的な作品だと思います。
これがデビュー作というものスゴイと思う。

十角館の殺人1

内容は、いわゆる「クローズドサークル」もので、雪で閉ざされた山荘、陸の孤島など、外界から遮断された状況下で発生する連続殺人事件を描いています。
クリスティーの「そして誰もいなくなった」以降、使い古されたパターンではありますが、あえて、その難題に挑戦し、成功した著者にエールを送りたい。
閉ざされた空間の中、一人、また一人と人間が殺されていく設定は、スリル満点です。
意外な人物が犯人なんだろう、と思いながら読み進めていくうちに、物語終盤で発せられた、なにげない「一言」の衝撃は見事です。
たった一言。その瞬間、事件の全貌が読者の脳裏に浮かぶはずです!
これぞ正に「アハ体験」。
十角館の殺人2  十角館の殺人3
 
この小説こそ「映像化不可能」です。
読めば解ります。


★★★★★


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「迷路館の殺人」 綾辻行人
綾辻行人の「館シリーズ」の第3作目で、1988年の作品。

迷路館の殺人1

作中にある「迷路館」の平面図が、目に留まり購入した1冊。
この作品は、小説の中で、さらに別の小説が展開するという「作中作」の形態をとっている。
しかも、この作品では登場人物が推理作家のため、その中にも幾つも小説があるという、二重、三重に非常に凝った構成になっている。
作中小説の凝り方も徹底している。表紙、目次に始まり、あとがき、架空の出版社の欄まであり、定価まで記載されている。当の出版社も、あまりにも紛らわしいと思ったのか、小さく(この頁は乱丁ではありません)と書かれていたのには苦笑させられる。
せっかくなので、あらすじは作中作の裏表紙を紹介しておこう。

『複雑な迷路をその懐に抱く地下の館「迷路館」。集まった四人の推理作家たちが、この館を舞台に小説を書き始めた時、惨劇の幕は切って落とされた!密室と化した館の中で起こる連続殺人。真犯人は誰か?・・・戦慄の大トリック!驚愕の結末!比類なきこの香気!』

迷路館の殺人2

著者の推理小説に対する愛情が、ひしひしと伝わって来る作品です。
館の平面図を見ても解るように、社会派ミステリーとは程遠い、非現実的な設定ですが、謎解を純粋に楽しみたいという人にはお勧めです。
正直言って、今回のトリック自体はアンフェアです。
しかし、作品自体はフェアに作ってあり、そのトリックを見破った読者をも楽しませてくれる趣向も凝らしてあるので、最後まで楽しませてくれます。
なによりも「迷路館」の平面図を見直したり、作者に騙されないように登場人物の台詞を読み返したりする楽しみ、ワクワク感は、推理ファンにはたまらないものがあると思います。
しかし、あまりにも凝りすぎた分、後味の悪さは若干残ります。
読んだ人は分かると思いますが、原作通りには絶対、映画化は無理な作品です。
著者の前作である「十角館の殺人」を読んでみたくなります。


★★★☆☆


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