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「月光ゲーム Yの悲劇’88 」 有栖川有栖
月光ゲーム Yの悲劇’88 」
有栖川有栖のデビュー作で1989年の作品。

月光ゲーム1

 著者が大学の推理小説研究会に在籍していた時に書いた小説を、長編小説にリライトして完成させた作品だけあって、正直言って、稚拙な感じは否めない。
しかし、その稚拙な感じが初々しく、登場人物がすべて男女学生という設定ということもあり、青春小説のような爽やかな読後感がありました。
また、いかにも推理小マニアの学生が書きそうな「読者への挑戦の頁」など、推理小説に対する著者の情熱、オマージュが強く感じられた作品でした。
ストーリーは、合宿のために山のキャンプ場へやって来た大学の推理小説研究会の面々(なんと有栖川有栖、本人まで登場する)と、偶然一緒になった男女三グループの学生達が、山の噴火(すごい設定である)により、キャンプ場に閉じ込められてしまい、噴火に脅えながら、救助を待つ彼らの中で、連続殺人が発生していくという、いわゆる「クローズドサークル」ものです。
途中何度も山が噴火するのですが、よくもまあ、こんな設定にしたものだと感心してしまう。
月光ゲーム2  月光ゲーム3
 タイトルにもなっている「Yの悲劇」とはyと書かれたダイイングメッセージに由来していますが、トリック自体は大したこと無く、この程度で名作「Yの悲劇」を持ち出すとは、恐れ多いと思いました。
(推理マニアの学生が書いたシャレだと思えば許せます。)
しかも、登場人物が多すぎです。
なんと、総勢17人も登場します。
人物の特徴も手がかりも希薄で、的を絞れない状況で「読者への挑戦」をされても辛いものがありました。

しかし、小説全体に流れている雰囲気はとても良いものがあります。
火山の噴火という異常な状況下ではありますが、なぜか恐怖感はあまり湧いてきません。
どこか幻想的で、起こった出来事は全て夢の中の出来事のような浮遊感があります。
月光ゲーム」というタイトルが示す通り、夜のシーンが多いのが要因なのかもしれません。

また、キャンプという共同生活を通して芽生えてくる学生達の淡い恋心も、読者の過去の恋愛体験が思い起こされて、とてもほろ苦く切ない気持ちにさせてくれます。

携帯電話もデジカメも無い、古き良き時代の「青春ミステリー」です。


★★★☆☆


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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

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