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「海神(ネプチューン)の晩餐」 若竹七海
「海神(ネプチューン)の晩餐」
若竹七海 1997年作

海神(ネプチューン)の晩餐

 
誕生から数奇な運命を経て、現在は山下公園に係留され、
船内を一般公開している氷川丸
私は、現物を見たことは無いのですが、
その氷川丸に思いをはせた、
ロマン溢れる物語です。

なかなかの力作でした。
タイタニック号の沈没の場面から
物語が始まるところがニクイです。
1997年に出版された小説とは思えないくらい
当時の雰囲気が良く伝わってきます。
特に、時代背景が良いです。

時代は日本と中国の関係が悪化しはじめた1932年。
大正デモクラシーの終焉と昭和恐慌の襲来により、
日本の繁栄を大陸へと広げようとしていた時代。
日本が全世界の非難を浴びながら満州国を宣言した
3月1日に船は香港を出航します。

物語は主人公の航海日誌の形をとっており、
バンクーバーまでの十日間の出来事が記されています。
その間、様々な出来事が起こるのですが、
物語の軸となるのは、タイタニック号の遭難事故で死亡した
「十三号独房の問題」等で有名な推理作家
ジャック・フットレルが、タイタニック号沈没と共に、
海に消えたと思われていた幻の短編小説の原稿が
見つかり、それが盗難に遭うという事件です。
この作中作の小説「消えた女」も、
実に良く出来たミステリーで、
例の「思考機械」も登場し、
本当にフットレルが書いたと言っても
おかしくないくらいの出来映えです。
(こういうのって、どうやって許可をとるのだろう?)
登場する船客も、虚名実名が織り交ぜてあり、
人種も様々で、実に巧みに構成されています。
(これも、どうやって許可をとるのだろう?)
途中、物語は中だるみしますが、
自分も航海しているような、ゆったりとした気分が
漂っていて、それも良い感じです。
物語の終わりは1941年。
日本が真珠湾を攻撃する直前に終わります。

今般、現実に発生している尖閣諸島をめぐる中国との対立
のことを考えると、タイムリーな内容も含まれ、
考えさせてくれる一冊となりました。

いつか2.3日でも良いから、船旅がしてみたいなぁ。
無理だろうなー。
せめて、横浜の氷川丸でも見に行くかー。
でも、そんなことも、ままなりません。
あー。



★★★★★


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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

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